- 2024.06.28
狭小住宅が売れない理由は5つある!売却するポイントや対策も知っておこう
狭小住宅が売れない理由はいくつかあります。建築費が高くなることや特殊な間取りであることなどから、敬遠されやすいのがその理由。しかし、ポイントを押さえて対策をすれば売却は可能です。
この記事では、狭小物件が売れない理由から売却するポイントや対策まで解説していきます。
目次
狭小住宅が売れない理由5つ
狭小住宅に定義はありませんが、一般的には50〜60㎡(15〜20坪)以下の住宅を指します。都市部に多く、三角形や台形などの不整形地に建築されているのが特徴です。
狭小住宅は建築費が高くなるケースが多いことや住宅ローンが組めないことから、売れにくいとされています。また、特殊な間取りであり、新たに家を建てられないことや、隣家との距離が近いことも売却を妨げる理由です。
1.建築費が高くなる
狭小住宅は土地面積が狭いため、階数を増やしたり地下室を設けたりすることで居住空間を広げる工夫が必要な場合があります。そのため、施工費用がかさむ傾向にあるでしょう。
また、足場が組みづらいことや重機が入れないことにより作業がしにくいことも、建築費が割高になる要因の一つです。
2.土地面積が40㎡未満の場合は住宅ローンが組めない
住宅ローンの基準は金融機関によって異なりますが、一般的に土地面積が40㎡以上を対象としているケースが多くあります。そのため、40㎡未満の土地の場合は住宅ローンが組めないことも。
また、低金利で利用できるフラット35は、建物の床面積が70㎡以上なければ適用されません。住宅ローンが組めなければ現金での一括払いとなります。しかし、一般人が大金を出して購入するのはハードルが高いでしょう。
3.特殊な間取りである
狭小住宅は特殊な間取りとなっている場合があります。そのため、使い勝手の悪さから敬遠されやすいことは否めません。例えば、以下のようなデメリットが考えられます。
・各部屋が狭い
・収納スペースが少ない
・駐車スペースや雪捨て場がない
狭小住宅は建築主のライフスタイルに合わせて建築されているため、他の人にとっては住みにくく感じられることもあるでしょう。
4.新たに家を建てられない
新たに家を建設できない可能性が高いことも、狭小住宅が売れない理由の一つです。
建築基準法によると、都市計画区域内の住宅では、敷地が幅員4m以上ある道路に2m以上接していなければ再建築できないとされています。狭小住宅はこの基準を満たしていない場合が多く、一度住宅を解体してしまうと再建築はできません。新たに家を建てられない不便さがあるため、売却しにくいのです。
5.隣家との距離が近い
狭小住宅は住宅が密集したエリアに建っていることが多く、隣家との距離が近いことが弱点です。窓の位置によっては室内が見えてしまう可能性もあり、プライバシーを確保するのが難しい場合もあるでしょう。
また、密集すると、風通しが悪く湿気がたまりやすいことや防音性が悪いことなどがデメリットとして捉えられます。
売れない狭小住宅を売却するポイント
売れない狭小住宅を売却するには、いくつかのポイントがあります。駅近などの利便性や周辺環境をアピールすることで、購入の動機づけをしましょう。また、近隣住民に土地の購入希望がないか打診してみるのも一つです。
駅近などの利便性をアピールする
駅近の物件なら、利便性をアピールすることで買い手が見つかりやすくなります。駅近であれば通勤・通学に便利なうえ、近くに商業施設が集中している傾向にあるため魅力的なエリアと考える買い手は少なくないはずです。
その他、スーパーや学校、病院などの周辺環境や治安の良さを伝えることも有効。狭小住宅でも購入したいと思えるような動機づけを行うとよいでしょう。
近隣住民に打診する
近隣住民に打診するのも一つの手段です。近隣住民が狭小住宅を購入することで、土地の拡大や利便性の向上につながります。住宅に居住しないとしても、土地があれば駐車場や物置として利用したり、家庭菜園をしたりできるかもしれません。
また、隣接する土地と合わせることで法律の基準を満たし、新たに家を建てられる可能性もあります。
このようにさまざまなメリットが考えられるため、狭小住宅の購入希望がないか、近隣住民に積極的に声をかけてみるとよいでしょう。
狭小住宅が売れないときの対策5つ
狭小住宅が売れないときは、対策を講じることで売却につなげられる可能性があります。例えば、リフォームや解体をするなどして手を加えることにより、使い勝手の良さが向上するでしょう。
あるいは、売買価格を下げたり、不動産会社に直接売ったりするのも有効です。
1.リフォームする
狭小住宅をなかなか売却できない場合は、リフォームをしてから売りに出すことも視野に入れましょう。間取りや内装をリニューアルしたり、手すりを設置しバリアフリーにしたりすることで、買い手の購買意欲を掻き立てられる可能性があります。
特に、築年数の古い住宅であれば、外装や設備を新しくすることで入居者がメンテナンスする負担を軽減することにもつながるでしょう。
リフォームのコストはかかりますが、物件の魅力を高めることで早期の売却を促せます。
2.家を解体する
狭小住宅が売れない場合は、家を解体して更地にする方法もあります。立地条件によっては土地のみのほうが売れる可能性が高まるでしょう。前述のように、駐車場や物置として利用するなど、土地としての活用法が広がります。
ただし、解体費用や廃材処理などにコストがかかることは避けられません。また、再建不可能な土地の場合は一度解体してしまうと再度家を建てられない点がデメリットです。そのため、解体には慎重な判断が求められます。
3.売買価格を下げる
売却価格を下げることで、購入を促進するのも一つです。価格がネックになっている買い手であれば、売却価格が下がることで購入を決めてくれる可能性があります。
まずは狭小住宅の適正価格を理解し、市場価格と比較して高すぎない設定になっているか随時確認することが大切です。また、買い手から価格交渉を求められた場合は、柔軟な対応を心がけましょう。
4.不動産会社を変える
売却活動が思うように進まない場合は、思い切って不動産会社を変更することも検討しましょう。新たな不動産会社が別の角度からアプローチすることにより、新たな買い手を獲得できる可能性があります。
不動産会社によって強みや実力は異なるため、狭小住宅の売却を得意とする会社を選ぶことでスムーズな取引を後押しできるでしょう。
5.不動産会社に直接売る
売却活動が難渋し他に手段がない場合は、不動産会社に直接売却するのも一つです。買い手を探す手間が省けるため短期間での売却が可能で、仲介手数料がかからないといったメリットがあります。
一方で、買取価格は市場価格よりも安くなってしまうことがデメリット。不動産会社の利益分が差し引かれるため、手元に入るお金が少なくなってしまうことは否めません。
それでもすぐに売却したい場合は、不動産会社に直接売ることを検討してみましょう。
狭小住宅が売れない理由を知って対策を考えよう
狭小住宅は、建築費が高くなることや住宅ローンが組みにくいこと、特殊な間取りであることから敬遠される傾向にあります。また、解体すると新たに家を建てられないケースがあることや、隣家との距離が近いことも売れない理由です。
しかし、利便性のアピールや近隣住民に購入を打診することで、打開できる可能性があります。
さらに、リフォームや解体により使い勝手を追求したり、不動産会社を見直したりすることも売却を促進できるでしょう。
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1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。