- 2024.05.31
家が売れない4つの理由とは?知っておきたい対策と注意点について解説
家が売れない理由として、家や土地自体の問題に加え売出価格が高いことや不動産会社のサポート不足、販売時期などが考えられます。
家が売れない場合、内覧が少ないときは広告の出し方や売出価格などの見直しをし、購入まで至らない場合は内覧時の掃除や対応を見直すなどの対策が重要です。
この記事では、家が売れないときの4つの理由や知っておきたい対策と注意点を解説します!
目次
家が売れない4つの理由
日本は人口の減少で空き家が増加傾向にあり、家が売れない時代も近いといわれています。
家が売れないとどうなるのか不安に感じたり、焦りからストレスを抱えたりする人もいるかもしれません。まずは家が売れない理由を知ることが大切です。
家が売れない理由には、以下の4つが考えられます。
1.家や土地自体の問題
2.相場よりも高い売出価格
3.不動産会社のサポート不足
4.販売時期
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
1.家や土地自体の問題
売却しようとしている家自体に問題がある場合も、売れない理由に挙げられます。
例えば、立地が悪く利便性が低かったり、周辺環境の治安が悪かったりなどの問題です。
また、築年数が経っていて家が古い場合や修繕がしっかりされていない場合も家が売れない要因になります。
利便性が良くきれいな家に住みたいという購入希望者の需要に合わない場合が考えられるでしょう。
2.相場よりも高い売出価格
相場よりも売出価格が高い場合も、家が売れない理由のひとつです。売出し価格は売主が決められるため、高く売りたいがために相場より価格を高く設定する場合があります。
類似物件が過去に成約した実績や、販売情報などに基づいた相場を意識して売出価格を設定する必要があるでしょう。高い売出価格では購入希望者がいても売れない場合があるため注意が必要です。
3.不動産会社のサポート不足
家が売れない理由には、不動産会社のサポート不足も挙げられます。不動産会社は、購入希望者と売主の間に立って売却活動をする役割を果たさなければなりません。
しかし、この役割が十分でないと成約しづらいといえます。不動産会社によるサポート不足のサインとして、あまり積極的に動いてくれず宣伝活動が不十分であったり、戦略なく販売活動を行っていたりなどが挙げられます。
また、販売活動の内容が不明だったり、連絡を取る頻度が少なかったりする場合もサポート不足のサインです。
4.販売時期
家や土地に問題がなくても売れない理由には、販売時期が影響していると考えられます。一般的に不動産の販売需要が増えるのは、新年度や新学期を迎える前の2~3月です。
そのため、販売開始するタイミングは年末頃が良いでしょう。一方、4月以降は需要が減るため、販売のタイミングをずらすのが得策です。
時期を待てば売却できる可能性は十分あるため、早く売りたいからといって相場より安く売らないようにしましょう。
家が売れない場合の対策|内覧が少ないとき
家を売れるようにするにはいくつかの対策が必要です。
まずは、内覧が少ないときの対策を知っておきましょう。内覧が少ないときの対策は主に以下の5つです。
・広告の出し方を見直す
・囲い込みがないか
・売却時期を見直す
・売出価格を見直す
・不動産会社に家を売却する
それぞれの対策について詳しく解説します。
広告の出し方を見直す
内覧が少ないときの対策のひとつは、広告の出し方を見直すことです。物件情報が掲載されているサイトやチラシの画像や内容、広告量などを見直してみましょう。
例えば、写真は家の魅力が伝わるものを選ぶのがポイントです。公園や学校などの周辺環境よりも、家の写真を重視し、十分な枚数があるか、見にくくないか確認しましょう。
また、内容は基本情報だけでなく、アピールポイントも記載し、購入希望者が知りたい情報を記載できているかもチェックします。
広告量は掲載サイトやチラシの枚数、配布エリアを調べて、十分であるか確認しましょう。
囲い込みがないか
不動産会社に囲い込みをされていないか確認することも重要です。囲い込みとは、売主から売却を依頼されている物件に対して、他社の顧客に取られないようにする行為です。
購入希望者がいても「すでに契約されている」などと偽り、契約を阻止するといったケースがあります。囲い込みをする主な理由は、2倍の仲介手数料を得るためです。
不動産会社は買い手と売主両方の仲介に入っている場合、双方から仲介手数料を取ることができます。このような理由から、不動産会社が買主も自社で見つけようとして、囲い込みを行うのです。
囲い込みをしているか判断する方法として、売却予定の不動産がレインズに登録されているか確認してみると良いでしょう。
レインズとは、不動産会社だけが利用できる物件情報サイトのことです。不動産会社は専任媒介契約を結んだら、一定期間内にレインズに登録しなければなりません。
レインズに登録された後すぐに解除されている物件は、囲い込みの可能性が高いといえるため、確認してみることをおすすめします。
売却時期を見直す
売却時期を見直すのもひとつの手段です。前述した通り不動産の需要が増えるのは、2〜3月になります。そのため、12月頃から売却活動を始めるのがおすすめです。
次に需要が増えるのは9~11月の秋頃になります。下半期に入るこの時期は、人事異動や転勤などが多く不動産が売れる可能性が高くなるのです。
時期を見直すだけで家が売れる場合もあるので、売却時期を見直してみると良いでしょう。
売出価格を見直す
試行錯誤しても買主が見つからない場合は、売出価格を見直すことをおすすめします。売出価格が相場より高い可能性や、条件に見合った価格でない場合があるからです。
不動産の価格は日々変動しているため、もう一度相場を確認して価格設定する必要があるでしょう。
また、同時期に近隣の家が売り出されている場合は、価格動向をチェックする必要があります。
ただし、値下げをする場合、元の価格に戻すことは難しいため、不動産会社の売却活動や広告の出し方に問題がないかなど見極めた上で判断しましょう。
不動産会社に家を売却する
不動産会社に直接家を売却する方法もあります。不動産会社へ家を売却する場合、すぐ現金化できたり、内覧の時間や労力を省けたりするのがメリットです。
売却を急いでいる人や、「引っ越したのに家が売れない」といった状況を避けたい人にはおすすめの方法になります。
ただし、相場よりも低い価格で取引される場合が多く、市場価格の7割程度になると認識しておきましょう。
家が売れない場合の対策|購入まで至らないとき
内覧に来てくれたものの、購入まで至らずなかなか家が売れないというケースも少なくありません。この場合には、以下の対策が必要です。
・内覧時の掃除や片づけを見直す
・内覧時の対応を見直す
どのように対策すれば良いのか、詳しく解説します。
内覧時の掃除や片付けを見直す
内覧時の掃除や片付けを見直してみましょう。部屋を広く見せるために、不用品は撤去してから部屋を片付けるのがポイントです。
引っ越しのときに捨てるものがあれば、あらかじめ捨てておくと良いでしょう。物が少ない部屋の方が、すっきりとした開放的な空間を演出できます。
また、内覧ではベランダや庭も見られるため、忘れずに清掃しましょう。部屋からスムーズに外に出られるように、履物を用意しておくとベストです。
さらに水回りなど自分できれいにするのが困難な場合は、ハウスクリーニングに依頼するのも良いでしょう。自分では手が行き届かない所までピカピカに掃除してくれます。
すべての部屋や収納場所を見せるつもりで、抜かりなく掃除や片づけを行いましょう。
内覧時の対応を見直す
購入まで至らないときは、内覧時の対応を見直してみることも大切です。受け答えに問題はなかったか、丁寧に対応できていたかなど、自分の対応を思い返してみましょう。
内覧当日は、換気をして臭い対策をし、部屋の照明はつけて明るい印象を与えられるようにするのもポイントです。
子どもがいる場合は預けるなどして、見学者がゆっくり見て回れる環境を整えましょう。また、物件に対して住みやすい点や近くのスーパー、病院、公共施設などの情報を話すと好印象をもたれます。
家を売ろうと必死になり、一方的にしゃべり過ぎたり過度にアピールしたりしないよう、相手に配慮した対応を心がけましょう。
家が売れないときの注意点
1年以上売れない家などを所有している場合、気持ちが焦り、自己判断で行動したくなるかもしれません。
しかし、家が売れないときこそ注意すべきことがあります。家が売れない時の注意点は以下の通りです。
・空き家にはしない
・安易にリフォームしない
・家を取り壊さない
・事実を隠して売却しない
・自己判断で売却活動をしない
それぞれの注意点と理由を確認していきましょう。
空き家にはしない
急いで空き家にするのは避けた方が良いでしょう。なぜなら、居住中の家は家具の配置や生活感をイメージしやすい点が、売却する上でのメリットだからです。
また、空き家になると手入れをおろそかにしがちになり、家も傷みやすくなるといったリスクが伴います。
さらに、空き家にするためには先に引っ越さなければならないため、家賃や引越し代など金銭的な負担も増えてしまいます。
内覧希望者の都合に合わせて在宅するのが困難な場合や、物が多過ぎることが原因で家が売れない場合でない限りは、空き家にすることはおすすめしません。
安易にリフォームしない
売却する前に、安易にリフォームしないよう注意しましょう。なぜなら購入後に買主の好みでリフォームしたい場合が多いからです。
リフォームしたことで逆に売れにくくなってしまうことも考えられます。また、リフォーム代は売却価格に上乗せすることはできないため、結果的に損をしてしまいます。
部屋がきれいな方が売れるような気がしますが、安易にリフォームはしない方が良いです。
ただし、例外として同じような物件が売りに出ていた場合に、差別化を図る目的でリフォームした方が売れるケースもあります。
しかしこの場合も売主はリフォーム代を負担しなければならないため、あまりおすすめできません。
家を取り壊さない
築年数が経っている家の場合、取り壊した方が売却できると思われがちですが、実際は壊さない方が良いです。
なぜなら需要が高い地域にある場合、取り壊さなくても売却できる可能性が高いからです。
しかし、人気の高い住宅街など更地を探している人の需要が多いエリアでは、取り壊した方が良い場合もあります。
また、広い土地の場合は家を取り壊して土地を2世帯分に分割してから売却した方が売れる場合もあります。これらを踏まえ、不動産会社に相談して決定するのがおすすめです。
事実を隠して売却しない
家が売れないときの注意点として、事実を隠して売却しないようにしましょう。家の不具合を隠して売却するのは告知義務違反行為になるので注意が必要です。
例えば、雨漏りや害虫被害、壁のひび割れなどが該当します。家に不具合がある場合は、正直に不動産会社に伝えましょう。
自己判断で売却活動をしない
早く売却したいがために、自己判断で売却活動をしないよう注意しましょう。
例えば、買主の値下げに応じるなどの行為は、大きな損失につながる可能性が高いといえます。
また、不動産取引は法的な手続きが必要になるため、専門知識や経験がない状態で行うのは危険です。
値下げなどの交渉に関しても自分で決めず、プロの意見を聞いてから判断するようにしましょう。
不動産会社を変えるのもひとつの手段
家が売れない場合は、不動産会社を変えるのもひとつの手段です。不動産会社を変える際には、契約の種類を確認する必要があります。
契約の種類によっては、不動産会社を変えるタイミングに注意しなければなりません。
ここでは、不動産会社を変えるときの流れやタイミング、注意点を確認していきましょう。
まずは契約の種類を確認しよう
不動産会社を変える前に、まず契約の種類を確認することが大切です。不動産会社との契約は以下の2種類があります。
・一般媒介契約:複数の不動産会社と契約できる
・専任媒介契約・専属専任媒介契約:1社しか契約できない
一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約できる特徴があります。ただし一般媒介契約には「明示型・非明示型」があり、明示型の場合は他の不動産会社と媒介契約を結んだ際に、他の不動産会社に通知する義務があるため注意しましょう。
一方、専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、1社しか契約できないという特徴があります。不動産会社とどの種類の契約を結んでいるのか、確認してみましょう。
不動産会社を変えるタイミング
不動産会社との契約の種類を確認して下さい。
一般媒介契約の場合はいつでも不動産会社を変えることができます。
また、変更だけでなく不動産会社を追加して契約するのも可能です。一方、専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合は1社しか契約できないため、現在の契約が終了するタイミングで変更する必要があります。
専任媒介契約・専属専任媒介契約の契約期間は主に3ヶ月以内となっており、自動更新されることはありません。
専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合は、契約終了のタイミングを狙って不動産会社を変更すると良いでしょう。
不動産会社を変えるときの注意点
不動産会社を変えるときの注意点は、専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、途中解約すると違約金が発生することです。
しかし、不動産会社が売却活動の報告義務を行わないなどで契約義務違反をした場合は、中途解約しても違約金が発生しません。
専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合では、正当な理由がなく解約するとそれまで売却活動にかかった費用などを請求される恐れがあるため注意しましょう。
理想の不動産会社を見つける方法
家を売るために力を注いでくれる、理想の不動産会社を見つけるには、2つの方法があります。
・複数の不動産会社に査定を依頼をする
・ジャンルに特化した不動産会社に依頼する
それぞれ詳しく解説します。
複数の不動産会社に査定を依頼する
理想の不動産会社を見つけるには、複数の不動産会社に査定を依頼して比較するのがおすすめです。
比較するときに使われる「一括査定サイト」は、多くの会社を比較するのに便利ですが、デメリットもあります。
多数の会社から電話がかかってきて対応に追われたり、エリアが対象外だったりする場合もあるため注意しましょう。
物件のある地域がエリア対象かどうか確認してから利用するのがベストです。
不動産一括査定の4つのデメリットとは?注意点や選ぶポイントも解説
ジャンルに特化した不動産会社に依頼する
売却の実績が豊富な不動産会社を選ぶのはもちろん、売却したい不動産のジャンルに特化している不動産会社を探すと良いでしょう。
例えば、マンションや戸建、地域、都心などそれぞれのジャンルに強い不動産会社があります。
それぞれの不動産会社の特徴を理解して、自分が売却したい物件に合ったところを選びましょう。
家が売れない理由を知って対策をしよう
家が売れない理由は、「家や土地自体の問題」「相場よりも高い売出価格」「不動産会社のサポート不足」「販売時期」の4つが考えられます。
内覧が少ないときには、広告の出し方や売却時期、売買価格などを見直してみると良いでしょう。
購入まで至らないときには、内覧時の掃除や片づけ、対応を見直すなど、対策できることはさまざまあります。
それでも売れないときには、不動産会社を変えてみるのもひとつの手です。家が売れない理由を知り、納得いく売却ができるよう対策していきましょう。
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1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。