- 2024.10.14
土地売却する時の相談先ってどこ?内容別で相談先の選び方を解説
土地や不動産を売却するとき、どこに相談するのがいいのか迷う方も多いでしょう。土地売却では大きな金額が動くので、トラブルやミスはなるべく起こしたくないものです。
土地売買に関する手続きなどは専門性が高く、すべて自分で対応するのは大変です。専門家に依頼することで確実に手続きを進められます。この記事では相談内容に合わせてどこに相談すべきか、相談先の選び方について解説します。
相談先はどこ?
土地売却をする際の相談先として、不動産会社に価格査定の依頼をするのが一般的です。しかし相談内容によっては相談先を変えた方が効率的に問題解決できるかもしれません。相談窓口として以下の相談先が挙げられます。
・不動産会社
・不動産鑑定士
・土地家屋調査士
・司法書士
・弁護士
・税理士
・金融機関
・行政書士
・役所
それぞれの相談内容と相談先について詳しく説明します。
不動産会社は、土地や建物などの不動産を売買・仲介・管理などを行っています。そのため土地の売り方やトラブルを解決する方法に精通しています。
不動産の価格査定や土地の買い手を探しているなどの土地売却に関する相談は、一般的に不動産会社がおすすめです。不動産会社は相談だけなら基本無料で対応してくれます。仮に不動産会社で問題解決できなければ、専門家を紹介してくれます。
初めての土地売却でどこに相談していいか迷っている方は、まずは不動産会社に相談してみると良いでしょう。
不動産鑑定士は、土地の適正な価格を正確に算出してくれる専門家です。
不動産鑑定士に依頼すると、所有する土地の価格を法律に基づいて鑑定・算出してくれます。不動産会社の価格査定は経験や実績に基づく査定です。あくまで土地売却のための目安の価格なので、性質の異なるものだと理解しておきましょう。
不動産鑑定士は、裁判などで法的効力を持つ「不動産鑑定評価書」を作成できます。そのため以下のようなケースでは不動産鑑定士へ依頼することが多くなります。
・裁判のために土地の価格を調べたい
・個人間の土地売買で、土地の資産価値を証明したい
・相続、生前贈与、離婚などによる財産分与で土地を分配したい
費用については、不動産鑑定士は相談料や鑑定費用がかかります。不動産会社による査定は3日〜1週間程度で算出されますが、不動産鑑定士による鑑定は2週間〜1ヶ月程度の日数が必要です。不動産鑑定評価書の作成には時間がかかるので、余裕を持って不動産鑑定士に相談してください。
土地家屋調査士は、土地や建物などを調査・測量し、土地の境界確定と測量図の作成を請け負う専門家です。
土地を売却する前に、土地の境界確定をしておく必要があります。所有している土地と隣地との境界が曖昧だとトラブルの元になることも。持っている図面が古かったり、境界杭が見つからなかったりなど境界が不明瞭な場合には、土地家屋調査士に調査を依頼してください。
土地売却の際には測量図が必要なことも多いので、登記情報をしっかり確定させてから売却した方が良いでしょう。測量図の作成には時間がかかるので、土地売却を検討している方は早めに依頼することをおすすめします。
司法書士は、建物の登記や相続に関する書類作成を行う専門家です。
土地や不動産を売却すると、登記上でも所有者を変更する必要があります。所有権移転登記や相続登記、相続やお金に関する相談などにも対応してくれます。
個人でも相続登記などは可能ですが、複雑で書類集めなどの大変な作業が多く発生します。基本的に不動産の所有権が変わる場合は、司法書士に相談し、代行してもらうのがおすすめです。
どこの司法書士に依頼したら良いのか分からなくても、不動産会社に相談すれば紹介してくれるでしょう。
弁護士は、法律相談やトラブルの解決、法的手続きの代行などを請け負う専門家です。不動産会社や当事者同士の話し合いで解決できないトラブルが起きたら、弁護士に相談することを検討してください。
売却を検討している土地に関してトラブルがある、もしくは法的に不安がある場合、事前に弁護士に相談し、問題をしっかり片付けてから売却した方が安全です。土地を売却した後に問題が発覚し、損害賠償請求などを受けてしまうことも考えられます。その場合も弁護士に代理人として交渉してもらうことで、相手と直接会う必要がなくなります。
弁護士に依頼すると、相談料・着手金・報奨金などの費用がかかるので、不動産トラブルに強い、信頼できる弁護士に依頼しましょう。
土地売却による税金などについて相談したい場合、税理士に相談するのがおすすめです。
土地や不動産を売却すると、住民税・譲渡所得税などのさまざまな税金がかかります。土地などを売却した場合には、譲渡所得税などの金額算出には複雑な計算が必要です。税金の種類は多く、要件によっては金額が変わります。
間違って申告してしまうと無申告加算税や延滞税が課されてしまうことも。税理士に依頼すれば、正確かつスムーズに手続きが可能で、確定申告の代行もしてくれます。税理士や税理士事務所によって得意な分野が変わるため、土地や不動産売却を得意とする税理士を選びましょう。
売却する予定の土地や不動産にローンが残っている場合は注意してください。ローン契約している金融機関に必ず相談し、ローンの返済計画を立てる必要があります。
どうしても売却するしかない場合は、金融機関に相談し対処方法を検討しましょう。許可が下りれば売却も可能ですが、売却価格がローン残高を下回ってしまうと不足分を自分で捻出するか、任意売却することになります。
農地を売却する場合は行政書士に相談しましょう。行政書士は、権利義務、事実証明に関する書類の作成や手続きを担っています。
農地は農地法という法律により、農地を住宅地などに変更する場合は届出か許可が必要です。これらの手続きには多くの書類が必要で、時間と手間がかかります。そのため行政書士に依頼するのが良いでしょう。。
田舎で空き家が建っている土地を売却したい場合には、役所に相談してみるのも選択肢の一つです。自治体が「空き家バンク」を導入しているかもしれません。
空き家バンクは、自治体が運営しているサービスです。空き家の情報などが閲覧でき、空き家を売りたい人と買いたい人をマッチングしてくれるサイトです。不動産会社に断られたような空き家でも登録できるので、田舎にある土地の売却を考えている方は検討してみてください。
適切なアドバイスを受けてスムーズに土地を売却しよう
土地を売却する際に困ったことやトラブルがある場合、その状況や内容に応じてどこに相談すればいいか、しっかり把握しておくと安心できます。
専門家への相談は有料なので、まずは信頼できる不動産会社に相談するのがおすすめです。相談だけなら無料で対応してくれて、問題解決のために相談内容に応じた専門家を紹介してくれます。適切な専門家からのアドバイスや手助けを受けて、スムーズに土地の売却を進めていきましょう。
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1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。